「ようこそ、神代巡礼へ」をやめたら、ブランドまで決まってしまった

開発日記

神社・神話を巡るアプリ「神代巡礼」を作っている。

アプリの機能そのものはもちろん大事だが、最近は神様図鑑や信仰図鑑を作ったり、画面のデザインを整えたりと、少しずつ「神代巡礼らしさ」を作っている。

そんな中、ホーム画面を眺めていて気になったのが、この一文だった。

「ようこそ、神代巡礼へ」

……なんかダサくないか(笑)

「ようこそ、神代巡礼へ」はいらないかもしれない

ホーム画面には、「ようこそ、神代巡礼へ」という見出しと、その下にアプリの説明文を置いていた。

でも、毎回アプリを開くたびに「ようこそ」と言われる必要もない。ホテルじゃないんだから。

そこで、もっと神代巡礼そのものを表せる短い言葉を考えることにした。

最初に考えたのが、「神話と信仰をめぐる、日本の旅。」

これはかなり気に入っていた。ただ、「信仰」だけだと少し狭い。

神代巡礼では神社や神様だけでなく、神武東征、日本武尊、源平合戦、戦国武将など、歴史そのものを巡るコンテンツも作っていく予定だ。

では、「神話と歴史をめぐる、日本の旅。」ならどうか。これも悪くない。

でも、ここで一つ引っかかった。神代巡礼では、歴史と神話を完全に別物として扱いたいわけではない。

菅原道真は歴史上の人物だが、やがて天神として祀られた。応神天皇は八幡大神として信仰され、徳川家康も東照大権現として神になった。

日本では、歴史上の人物が信仰の中で神になっていくことがある。だったら「神話」と「歴史」をわざわざ分けなくてもいいのでは。

そこで出てきたのが、「神々をめぐる、日本の旅。」だった。これだ。

「巡る」ではなく「めぐる」

ここで地味に気になったのが、神々を「巡る」なのか、神々を「めぐる」なのか。

漢字の「巡る」だと、神社や聖地を実際に巡っていく意味がかなり強くなる。一方、ひらがなの「めぐる」なら、意味の幅がもっと広い気がする。

神々の地をめぐる。神々について知る。神々をめぐる神話や歴史を読む。神々をめぐる信仰を知る。いろいろな意味を含ませることができる。

しかもアプリ名が「神代巡礼」なので、「巡」の字が重ならない。

ということで、

神代巡礼
神々をめぐる、日本の旅。

これを神代巡礼のコピーにすることにした。かなり好きだ。

ブランド名になる予定の「神名帳」

もう一つ考えたのが、アプリを起動した瞬間に表示される画面だ。これまでの起動画面はものすごくシンプルだった。

真っ白な画面に、神名帳と表示されるだけ。

ちなみに「神名帳」は、将来会社を作ることになったら会社名にしたいと思っている名前だ。まあ、そもそもはデベロッパーの名前なのだが。

……いや、アプリは「神代巡礼」なのに、起動したら「神名帳」しか出てこないんかい(笑)

初めて使った人は、「アプリ間違えた?」となるかもしれない。でも、白い画面に「神名帳」だけという潔さは、これはこれで妙に格好いい。

そこで、神名帳を消すのではなく、役割を整理することにした。

主役はあくまで神代巡礼。その下に神々をめぐる、日本の旅。そして画面の下の方に、小さく神名帳のロゴ。

つまり、神代巡礼=作品・サービス、神名帳=それを作っているブランド、という関係だ。

そういえば神名帳のロゴがない

ここまで考えて、重大なことに気づいた。神名帳のロゴ、考えてない。

そこでロゴも考えることになった。モチーフにしたのは、鳥居と本。

鳥居は神社・神道。本は「帳」、つまり記録や知識。この二つを一つのマークにして、深緑一色のシンプルなロゴにした。

神社アプリのロゴというより、「日本の神話・神道・歴史を記録していくブランド」のロゴとして使えるものにしたかったので、御朱印や地図など、神代巡礼だけに関係する要素はあえて入れていない。

将来、本当に「株式会社 神名帳」とかになったら面白い。

ところで「神代巡礼」ってなんて読むの?

そして全部まとまりかけたところで、ふと思いだした。神代巡礼って、初見で読めるのか。

私の中では最初から「かみよじゅんれい」だった。「神代」は、神々の時代。だから「かみよ」。

ところが友人は普通に「じんだいじゅんれい」と呼んでいた。なるほど、確かに読めない。

「神代」には「じんだい」という読みもあるので、初見ならそちらで読む人がいて当然だ。

とはいえ、ロゴに毎回「神代巡礼(かみよじゅんれい)」と書くのも野暮ったい。

そこで、ロゴ自体にはフリガナを付けず、Google Playの説明文や公式サイト、SNSなどで最初だけ「神代巡礼(かみよじゅんれい)」と伝えることにした。

いつか「神代巡礼」と書けば自然に「かみよじゅんれい」と読んでもらえるくらい知られたら最高だ。

もし流行ったら、なんて略される?

ここまで来ると、どうでもいいことまで考え始める。もし神代巡礼が流行ったら、たぶん毎回「かみよじゅんれい」とは呼ばれない。長い。

では何と略されるのか。「かみじゅん」? うーん。「よじゅん」? ……なんか韓国ドラマに出てきそう(笑)

最終的に意外といいと思ったのが、「かみよ」だった。

「かみよ入れてる?」「かみよで宇佐神宮調べた」「かみよの神様図鑑見た?」

もし神社好きの間でこんな会話が成立するようになったら、相当面白い。しかも「神代=かみよ」という正式な読み方も自然に伝わる。

ただ、略称というものは開発者が決めるものでもない気がする。公式はずっと「神代巡礼」。

ユーザーが「かみよ」と呼ぶのか、「かみじゅん」と呼ぶのか、それとも全く予想していない名前で呼び始めるのか。それも含めて、いつか見てみたい。

名前に世界観が宿り始めた

最初は単純に、ホーム画面の「ようこそ、神代巡礼へ」がちょっとダサい。それだけの話だった。

そこから、「神々をめぐる、日本の旅。」というコピーが決まり、神名帳のロゴができ、神代巡礼と神名帳の関係が整理され、最後には「そもそも神代巡礼って読めるの?」という話にまでなった。

名前の読み方一つ、句読点一つ、ロゴの位置一つ考えるだけでも、そのアプリが「何なのか」が少しずつ見えてくる。

まだ神代巡礼は開発途中だ。収録できている神社も、神様も、信仰も、これからどんどん増やしていかなければ満足いかない。

でも最近、単なる「自分用の神社アプリ」だったものに、少しずつ固有の世界観が生まれてきたような気がする。

いつか本当に「かみよ、入れてる?」で通じる日が来たら。そのときはたぶん、この記事を読み返して笑うと思う。

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